
3. 建築の経緯
ア) 病院第3期建築計画の一部として計画
・1976年の総合病院化以後、第1期建築工事(A棟=81年)、旧ホスピス棟(84年)、第2期建築工事(B棟=87年)の増改築を行ってきた
・第2期建築工事以後10年近くが経過し、大幅な患者増と医療環境の変化に十分対応できないものとなっていた
・このため、総事業費56億円に及ぶ第3期建築計画を策定し、1994(平成6)年11月立体駐車場工事着工に始まる整備を実施してきた
・第3期建築計画は、外来診察機能の充実、精神科病棟の新築移転、救急医療体制の充実・CCU開設、看護単位1増による既存病棟の再編と環境改善、産科・新生児医療の充実、人工透析の拡充、リハビリテーション機能の充実等を目的としたものである
・ホスピス病棟の改築事業は、この一環として精神科病棟の移転跡地に建築した
イ) 改築前のホスピスの問題点
・結核病棟(1957年建築)の一部とホスピス棟(1984建築)を使用していたが、老朽化が著しかった
・建物の配置が中層病棟に挟まれた位置にあるため、目当たりが悪く、眺望も悪かった
・4人室も含まれていたため個室希望に十分に応えられず、病床稼働率が8割程度に留まっていた
・構造(鉄骨造)のため、個室間の遮音性が悪くプライバシー保護に難点があった
・床暖房が試験的に導入した1室以外には無く、末期患者の要望に応えられていなかった
・家族室、談話室等、ホスピスに必要とされる諸機能も、十分でなく改善が求められていた 4. ホスピス建築上の成果
前述の問題点を改善するため、建築地を病院敷地の最南部に設定した
建築によって以下の成果が得られたものと考えている
ア) ホスピスケアの経験を活かした利用者中心主義の徹底 前ページ 目次へ 次ページ
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